fc2ブログ
 

風あざみ

風あざみ



長い時間、過ごしていたここも一週間後に引っ越すことになる

大きな荷作りは終え、部屋の中が殺風景になる

部屋の家具がなくなり音が響く

そんな現実が曖昧な空間で一冊のアルバムが手にとまった

ペラペラとページをめくると一枚の写真に目が留まった





キミを初めて見たのは夏が終わりかけの盆踊り

キミは夏の終わりを見ているかのように静かに舞っていた

舞う姿を見て指先から足先までボクは見惚れてしまい時間が止まるのを感じた

人を好きになるというのはこういう事なんだと幼いながら感じた





時は過ぎ季節は何度繰り返しただろう

キミと毎年、太鼓が夜空に響くこの日この場所でお互いの想いを深めた

胸の高鳴りに合わせ太鼓の音が響いたように感じた

でも「好き」というその言葉は・・・夏の終わりの初秋の風の中に消えていった





それから数年・・・

夏の暑さが涼しさに変わる頃・・・

キミは家庭を持ち、キミの踊りを真似て踊る子の姿を見、笑みを浮かべていた

幸せそうな笑顔だった


風あざみ


翌年・・・

掴みどころのない瞬く星のように、儚い想い出を夜空に散りばめ

窓から聞こえてくる太鼓の音を耳にした

もうあの場所に行くのは辛くなるからだった





その後、月日は流れ

その記憶も想いも薄まっていった

そんな時間が経過し恋人ができ、結婚することになり、今の場所を引っ越すことになった

そんな日、この写真が見つかり

少年時代の遠い記憶と想いが蘇った

写真をしばらく眺め・・・そして心の隅に・・・

あざみのトゲがチクリと刺さった

遠い夏の儚く青い想い出・・・

八月は夢花火












 にほんブログ村 写真ブログ 心象風景写真へ
スポンサーサイト



Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
 

~ Comment ~

NoTitle

なんとも懐かしく切ない

昔、出会った彼女を思い出します^^

私も家族を持ち息子も大きくなってきましたが、今でも会社に行く道に彼女が住んでいた公共団地が見えるので忘れた事が無く、あの時のイメージのままの彼女が私の頭の中に存在しています。

嫁にも息子に話した事などないですけどね^

>矮星さん

何となくですが、男の方が恋の思い出をいつまでも思っているように感じます( *´艸`)

私は実家から出たのですが、実家に帰るたびに若い頃恋した人と偶然出会えないかなと思ったりもしました(*´з`)

若い頃と今とではお互いに成長した訳ですから思い出話程度で終わると思うのですが^^;

今はそういう事考えていないですよ(*´Д`)
  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

MENU anime_down3.gif

同じカテゴリの記事が一覧表示されます
同じタグの記事が一覧表示されます
更新月別の記事が一覧表示されます
キーワードで記事を検索